日本経済の先行きが不安視される中、将来への備えとして外貨預金に関心を示される方が増えています。
しかし、投資について少し勉強された方ならば、外貨預金という投資はあまり良くないという話を聞いたことがあるかもしれません。
それは手数料が高いために言われていることであり、残念ながらある側面において事実です。特に地元に根付いた地方銀行の外貨預金などは法外な手数料を取るところも多く、絶対に契約してはいけません。
しかし、全ての銀行での外貨預金が悪い訳ではありません。
本記事では、各銀行の手数料の比較や、それがどの程度利益に影響するのかを紹介し、賢く外貨預金を行うための銀行の選び方について紹介します。
外貨預金の手数料と金利比較
いくつかのネット銀行と地銀、メガバンクの手数料を表にまとめました。
青い色の文字はネット銀行、赤い色の文字は地銀・メガバンクになります。
ネット銀行・地銀・メガバンクの外貨預金手数料比較
米ドル | ユーロ | 豪ドル | |
GMOあおぞらネット銀行(オススメ) | 0.02円 | 0.10円 | 0.15円 |
ジャパンネット銀行 | 0.05円 | 0.14円 | 0.30円 |
楽天銀行 | 0.25円 | 0.25円 | 0.45円 |
じぶん銀行 | 0.25円 | 0.25円 | 0.50円 |
地方銀行A | 1.00円 |
1.50円 | 2.00円 |
地方銀行B | 2.00円 |
6.00円 | 10.00円 |
メガバンクA | 1.00円 |
1.50円 | 2.00円 |
メガバンクB | 1.00円 |
1.40円 | 2.50円 |
※ここで言う手数料とは外貨を1枚を購入・売却する際にそれぞれ発生するものです(1米ドル=100円のとき、GMOあおぞらネット銀行で1ドル購入するには100.02円必要となり、1ドル売却すると99.98円得られる)。
この表を見て分かるように、ネット銀行と地銀・メガバンクの外貨預金の手数料は最大100倍もの差があります。
しかしいくら手数料が高くても、外貨預金は金利も高いためすぐに取り返せるのではないか、とお考えの方もいるかもしれません。実際銀行の窓口ではそのように説明されることも多いようです。
では具体的に、米ドルを100枚(10万円分)購入し、その後売却した場合の合計の手数料はいくらであり、それを金利で回収するためには何年外貨を保有し続ける必要があるのでしょうか。
手数料比較の表で最も条件の良いGMOあおぞらネット銀行とジャパンネット銀行、そして2つの地方銀行の回収年数を比較してみましょう。
米ドル100枚売買する際の手数料・金利比較
手数料 | 金利 | 回収年数 | |
GMOあおぞらネット銀行(オススメ) | 40円 |
1.5% | 0.3ヶ月 |
ジャパンネット銀行 | 100円 | 0.2% |
6ヶ月 |
地方銀行A | 2,000円 |
0.2% | 10年 |
地方銀行B | 4,000円 |
0.3% | 14年 |
※金利は19年10月時点の普通預金のものです。
如何でしょうか。外貨預金の金利は確かに日本円よりも遥かに大きいですが、しかしそれが利益となるのはこの回収機関を過ぎてからです。地方銀行では購入してから10年以上は「損をしている」状態が続くことになります。
地方銀行やメガバンクの手数料がどれほど大きいかご理解頂けましたでしょうか。
地方銀行やメガバンクの外貨預金は決して良い投資とは言えません。外貨預金を始めるのであれば、必ずネット銀行を利用しましょう。
外貨預金におすすめの銀行は
手数料や金利、取扱い通貨の数等から判断した外貨預金におすすめのネット銀行をご紹介します。より詳細な情報や、銀行の選び方のポイント等はこちらの記事を参照して下さい。
ただし、本サイトのトップページでご説明したように、外貨預金よりもあらゆる面でFXの方が優れています。余程の抵抗感やこだわりが無い限りはFX口座を開設し、低いレバレッジで外貨預金をするかのように取引されることをお勧めします。
以下の記事を参考にして下さい↓↓
1.GMOあおぞらネット銀行
普通預金で定期預金並みの高金利! 手数料も抜群に安いGMOあおぞらネット銀行は、外貨預金を始めるのに最も適した銀行でしょう。
通常、高い金利を得るには定期預金を選ぶ必要がありますが、定期預金は一定期間預けた金額を引き出すことができないという大きなデメリットがあります。
いつでも引き出せる普通預金で定期預金並みの金利が貰えるGMOあおぞらネット銀行は、その他の銀行と比較しても圧倒的に便利であり、外貨預金には欠かせない銀行でしょう。
取り扱い通貨 (8種類) |
米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、南アフリカランド |
その他の特徴 | ・ひとつの口座で「〇〇用」「〇〇用」と別個に管理できる「つかいわけ口座」機能あり ・スマートフォンアプリで外貨普通預金預け入れ(購入)が可能 |
2.新生銀行
取り扱い通貨数No.1! 定番以外の通貨にも投資したいのであれば新生銀行を選びましょう。
取り扱い通貨 (13種類) |
米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、英ポンド、カナダドル、シンガポールドル、香港ドル、南アフリカランド、ノルウェークローネ、中国元、トルコリラ、ブラジルレアル |
その他の特徴 | ・利用状況によりステージが変化し、手数料や金利が優遇される ・為替レートの変動をプッシュ通知する専用スマートフォンアプリ有り |
まとめ
個人が外貨を保有すること自体は、将来への備えとして非常に意味のある行為です。しかし残念なことに、世の中には法外な手数料を取る銀行が数多くあります。
本記事で紹介したように、手数料が高いとせっかくの利益を相殺するばかりか、逆に大きな損失となりかねません。
外貨預金の銀行選びは、必ず手数料を比較して行いましょう。
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