外貨預金やFXを始めるにあたって、どの通貨を選ぶと良いのでしょうか。
本記事では世界の主要な通貨の特徴や、どのような方にお勧めなのかをまとめていますので、是非参考にしてください。
北アメリカ
北アメリカからは米ドル(USD)とカナダドル(CAD)の2種類の通貨を紹介します。
米ドル(USD) / アメリカ合衆国
取引量No.1の世界の基軸通貨
世界のGDPの30%を占める世界一の経済大国、アメリカ合衆国の通貨。ほぼ全ての通貨の値動きに影響を与える世界の基軸通貨でもある。
外貨のまま引き出し買い物等に利用できる国も多く、外貨預金・FXに欠かせない通貨。
分散投資として長期保有したい方から積極的にトレードして利益を得たい方、投資の初心者からプロまで万人にお勧めできる通貨です。
米ドル、ユーロ、円の3通貨を保有すると、米国、欧州、日本それぞれの政治・経済リスクをバランスよく分散できます。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.01%~1.5% 0.06%~1.2% |
国債格付け | AAA |
注目指数 | 1.雇用統計 2.消費者物価指数 3.貿易収支 4.ISM製造業景況指数 |
カナダドル(CAD) / カナダ
世界有数の資源大国
金や原油・ニッケル・亜鉛・天然ガスなどの鉱産資源やエネルギーに恵まれ、政治的・経済的にも安定したカナダの通貨。農産物の輸出国家でもある。
輸出・輸入ともにアメリカへの依存度が高く、アメリカ経済の動向に強く影響を受ける。
基軸通貨以外にも預金の国際分散を図りたい方、資源国通貨の取引をしたい方いお勧めです。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.01%~1.0% 0.1%~1.2% |
国債格付け | AAA |
上昇要因 | 1.消費者物価指数(CPI) 2.失業率 3.雇用ネット変化率 4.国際商品貿易(貿易収支) 5.GDP(国内総生産) |
連動しやすい通貨 | 米ドル(USD) |
ヨーロッパ
ヨーロッパからはユール(EUR)、英ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)の3種類の通貨を紹介します。
ユーロ(EUR) / 欧州連合(EU)
ヨーロッパの共通通貨であり世界第2位の基軸通貨
2019年現在、欧州連合(EU)を形成している28ヵ国のうち19ヵ国が採用している、事実上のヨーロッパの共通通貨。特にドイツ・フランスの影響力が強い。
財政状況がよくないPIIGS(ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシャ・スペイン)問題やブレグジット(イギリスのEU離脱問題)等、様々な問題を抱えている。
米ドル、ユーロ、円の3通貨を保有すると、米国、欧州、日本それぞれの政治・経済リスクをバランスよく分散できます。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.001%~0.01% 0.001%~0.02% |
国債格付け | CC~AAA |
注目指数 | 1.生産者物価指数 2.消費者物価指数(CPI) 3.失業率 4.ZEW景況感調査 5.IFO景況指数 |
EU加盟国中の ユーロ採用国 |
オーストリア,フィンランド,マルタ,ベルギー,フランス,オランダ、ギリシャ,キプロス,ポルトガル,アイルランド,ドイツ,イタリア,スロバギア,リトアニア,スロベニア,スペイン,ラトビア,エストニア,ルクセンブルク |
EU加盟国中の ユーロ不採用国 |
ブルガリア,ポーランド,ハンガリー,チェコ,ルーマニア,デンマーク,クロアチア,スウェーデン,イギリス(離脱?) |
UKポンド(GBP) / イギリス
かつての世界の基軸通貨
戦前は世界の基軸通貨として君臨し続けた通貨であり、その歴史的背景から現代でもイギリスは外国為替の取引高世界一の市場となっている。
EU離脱の影響は大きく、イギリスとEU双方に経済的なダメージが残ると予測されており、予断を許さない状況です。
取引量は米ドル、ユーロ、日本円に次ぐ世界第4位です。米ドルやユーロと比べて価格変動が大きく、為替差益を狙いたい方におすすめです。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.01%~0.4% 0.01%~0.4% |
国債格付け | AA |
上昇要因 | 1.消費者物価指数(CPI) 2.製造業PMI 3.製造業生産高 4.失業率 |
連動しやすい通貨 | ユーロ(EUR) |
フラン(CHF) / スイス
日本円に並ぶ代表的な避難通貨
独立性が高く、赤十字やWWF,WHOなどさまざまな国際機関の本部が置かれている永世中立国スイスの通貨。
日本円同様金利が低く、有事の際に買われやすい避難通貨となっています。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.001%~0.01% 0.001%~0.01% |
国債格付け | AAA |
注目指数 | 1.SVME購買部協会景気指数・失業率 2.消費者物価指数(CPI) 3.貿易収支 4.KOF先行指数 5.SNB政策金利発表 |
連動しやすい通貨 | ユーロ(EOR) |
アジア
アジアからは日本円(JPY)、人民元(CNY)、香港ドル(HKD)の3通貨を紹介します。
円(JPY) / 日本国
世界中の投資家の避難先
流通量世界第3位! 世界でも類を見ないほど金利が低いが、有事には世界中から買われる安全資産。
信頼性の高いハードカレンシー(国際決済通貨)であり、日本円を元手に他の通貨を取引する外国人も多い。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.0001%~0.01% 0.001%~0.15% |
国債格付け | A |
上昇要因 | 1.日銀金融政策決定会合 2.日銀短観 3.政策金利 4.日銀マネタリーベース目標 |
人民元(CNY) / 中華人民共和国
急激に成長する未来の超大国
GDPが日本の約2.5倍もある、世界第2位の経済大国。さらに成長を続けており、2030年代には米国を超えて世界一になるとみられています。
非常に将来性のある通貨ですが、米国との関係・いざこざが気になるところです。
短期の利益を狙うより、中長期保有して大きな為替差益狙う投資に向いています。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.1%~0.8% 1.1%~1.8% |
国債格付け | A+ |
注目指数 | 1.消費者物価指数(CPI) 2.外貨準備高 3.米国の貿易収支 |
香港ドル(HKD) / 香港
1国2制度の下で発行された、米ドルと連動する通貨
香港は中国の一部でありながら、1国2制度の下独自の通貨を発行しています。米ドルとのペッグ制(固定相場制)を採用しており、相場はほぼ完ぺきに米ドルに追随します。
しかし景気は中国に連動するため、契機と為替が連動しないという特徴があります。いづれはペッグ制は解消されるかもしれません。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.001%~1.2% 0.001%~2.0% |
国債格付け | AA |
上昇要因 | 1.米国の雇用統計 2.中国製造業PMI 3.中国GDP成長率 |
連動しやすい通貨 | 米ドル(USD) |
オセアニア
オセアニアからは豪ドル(AUD)、NZドル(NZD)の2種類の通貨を紹介します。
豪ドル(AUD) / オーストラリア
安定性の割に金利が高く、日本人に人気の通貨
石炭・鉄鉱石・金・天然ガスなどが産出する、世界屈指の資源大国。輸出に占める一次産出品の割合が極めて高く、豪ドルは各資源価格の動向に影響を受けやすい。
また日本や中国との関係が強く、アジアの経済情勢に連動しやすい。
低金利で為替も安定している先進国通貨はもの足りないが、新興国通貨ほどのリスクは許容できない方にお勧めです。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.1%~1.0% 0.1%~1.3% |
国債格付け | AAA |
注目指数 | 1.新規雇用統計・失業率 2.消費者物価指数(CPI) 3.中国製造業PMI 4.中国GDP成長率 |
NZドル(NZD) / ニュージーランド
金利は高いが値動きも大きい
ニュージーランドの経済はオーストラリアへの依存度が高く、産業構造も似通っているため豪ドルに連動しやすい。市場が小さく流動性が低いため、値動きは乱高下しがち。
豪ドルを目安に割高感、割安感を判断されることが多く、金利が豪ドルよりも高いときはNZドルが買われやすくなります。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.2%~0.9% 0.1%~1.1% |
国債格付け | AA |
注目指数 | 1.消費者物価指数(CPI) 2.失業率 3.GDP(国内総生産) 4.貿易収支 |
連動しやすい通貨 | 豪ドル(AUD) |
その他
その他、南アフリカランド(ZAR)、ブラジルレアル(BRL)の2種類の通貨を紹介します。
ランド(ZAR) / 南アフリカ
経済的に不安定だが高金利
金・ダイヤモンドの埋蔵量世界一の資源国であり、近年大きく成長を遂げている南アフリカの通貨。ヨーロッパとの結びつきが強く、非常に高金利だが政治的・経済的な不安要素も多い。
なるべく金利の高い通貨で資産を運用したい方。ハイリスクハイリターンな投資を行いたい方にお勧めです。
普通預金金利 定期預金金利 |
1.5%~4.0% 3.0%~5.9% |
国債格付け | BB+ |
注目指数 | 1.貿易収支 2.製造業生産高 3.実質小売売上高 |
レアル(BRL) / ブラジル
景気回復が遅れているが高金利
経済発展が目覚ましい新興国BRICsの一角であり、名目GDP世界6位のブラジルの通貨。
コーヒーやさとうきびなどの農業だけでなく、自動車や航空機を生産する工業国としての一面もあります。
普通預金金利 定期預金金利 |
0.2%~0.8% 2.0%~2.4% |
国債格付け | BB‐ |
注目指数 | ― |
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